玄学

「玄学すなわち玄虚の学なり」とあります。
その概念の源は中国の老子によって始まり、現実の世界以外に抽象的世界があるとし、それを「玄」と云います。
玄学家は抽象的な「無」を思想の核心とし、それは老子や荘子の思想の元になるといえます。
一般的に、「周易」「老子」「荘子」の学説を主体としたこの三者の説を、三玄と言い、または「玄学」と称します。
老耼は中国の大聖人・孔子の師であったと言われており、宇宙の構成及びその進化の学説を立ち上げ、人々の尊敬を一身に受けました。古代においては聖哲なる人物を「子」として尊敬したので、その習慣にならい、世の人は老耼を「老子」と尊称しました。
老耼が晩年に著作した道徳経は今でも学ばれています。
老耼の宇宙学説は「この世が発生する前、全宇宙は混沌としており、いかなるものも、いかなる形象も色も無く、後に天地、万物及び人類が生まれた。」とするものでした。

人が死に、物が滅びた後、また元の状態に戻ります。
このような宇宙の状態は天地万物に「生滅往来」の大道を供給しているようで、それ故に「道」と称するものであります。
「道」には形象も音声も無く色も無い、故に「無」と称します。
天地万物の方には形象も音声も色も有ります。

全宇宙は、無から有に到り、また、有から無に到ります。
というように、自然はとどまることなく循環し、いかなる主宰者も無いです。
このようにいかなる意識力による支配も無きことを「無為」と称します。この無為の中にあって、延々と循環し、得るのは、その「道」中に相対的二つの力があるからです。それが陰陽です。

宇宙が循環し、万物も循環します。盛から衰へ、衰から盛へ、強から弱へ、弱から強へ、進から退へ、退から進へ、取受より供給へ、供給より取受へというふうにです。

これが老子の基本思想であり、「貴無」（無を貴ぶ）学説でありました。

さらに玄学の話は続きますが、
後に続き、今日は此れくらいにしましょう。